Writer:管理人
休止から約13年が経った今年3月、神鉄の菊水山駅が廃止になりました。
営業路線上の廃駅は廃止後にどのような扱いを受けるのでしょうか。
神戸電鉄は今年で開業90周年を迎えますが、廃止された駅は神有耶馬、新有馬、菊水山の3駅。
神有耶馬は資料が少なすぎてどんな駅だったかすらわからないので新有馬駅の例をご紹介します。
廃止直後からホームの撤去工事が始まり、今ではそこに駅があった痕跡はほとんど残っていません。
菊水山駅の廃止から1ヶ月が経ち、廃止直前には5両編成に対応するため南側に作られた1両分のホームは木製の部分のみ撤去されたようですが、金属製の骨組とコンクリートでできたホーム上部を撤去するまでには至っていません。
これを撤去するためには重機を入れたかなり大掛かりな工事が必要。
しかし菊水山駅の存在するのは山間部であるため重機を入れるのは困難です。
できるだけ手を加えず、営業列車に影響を与えないためにはどうすればよいのでしょうか。
京阪電気鉄道の石山坂本線に大津市役所前駅。
今年の3月まで別所駅と名乗っていたこの駅は、大津市役所の移転に合わせ、1967年に300メートルほど移転しました。
この移設されたあとの旧ホームのうち、坂本方面行き下りホームが当時の姿を留めています。
注目していただきたいのがホームの線路寄りの端の部分です。
少し壊されているのがお分かりいただけるでしょうか。
駅のホームは、特例で建築限界内に設置することが許可されています。しかし、廃駅となってしまう以上はこの特例も適用されないためにホームの端部だけ撤去した、ということでしょうね。
(これで確実に建築限界をクリアしてるかは少しわからないですけど…)
また、廃止駅になってからも重要な役目を果たす駅もあります。
東京メトロ銀座線上に存在した万世橋駅は仮のターミナル駅としてしばらく営業し、延伸開業により廃止されてからかれこれ90年近くになりますが現在も物置などとして使用されています。
青函トンネルでは、長大トンネルであるという理由から吉岡海底駅・竜飛海底駅跡を避難経路として残しています。
菊水山駅は神鉄で一番長い菊水山トンネルのそばにあり、駅間も長いことから転用する意味もありそうですね!
他の廃駅と同じような運命を辿るのか、それとも…
始まったばかりの菊水山駅のセカンドライフ、注目していきたいと思います。